新年になってから、ふとJTの事を思い出した
昨年は年の後半からグイグイと市場が勢い付いて、持ち株も大いに恩恵を受けた。そして、 年末に収益を計算し一年を振り返った時、
あれ、JTってどうなったっけ?(あの人はいま的な)

と思い出した。あまりの鬼下落ぶりから、普段は監視することもないJT株だったが、

一時期は監視していた時期もあったね。
結局買ってないんだけど。えへへ
しかし、一度気になると電柱の陰からでも見守ってしまうぐらい、愛情が深いYJJ。
電柱│д゜) (俺だけはストーカーじゃないよ・・・)
早速JTを再検証してみることにした。
底値近辺では驚愕の利回りが出ていた!
2019年9月4日に、JTは2179円の最安値をつけた。この株価を元にした配当年利回りは、
驚異の7.06%!
当然これは税引前であるし、売買手数料も含まれていない。しかし、 それらを考慮したとしても、つんでもねー利回りだった事は間違いない。なぜなら税引き後の実質利回りでも、5%以上の利回りとなっていたから。最安値を付けたのが一瞬とはいえ、恐怖の最中に拾えた人はナイストレードだったと言って差し支えないだろう。
これは報われた投資と言っていいのだろうか?
では、 この最安値を元にして、配当をゲットした後の最終的な収支を計算してみたいと思う。 条件は以下のように設定した。
~最初に記事に書いた当時の条件。期末配当狙いの逆張りで、
保有期間は最安値から年末までの4ヶ月間~
※配当落ち前の終値で売却(100株・手数料は含まず・税金を20%と仮定)
購入額 2179円
売却額 2538円(2019/12/26終値)
配当額 0円
売却益 35,900円
合計 35,900円
税引き後 28,720円
元本に対しての利回りは、13.1%
※配当落ち後の寄り付きで売却(100株・手数料は含まず・税金を20%と仮定)
購入額 2179円
売却額 2444円
配当額 77円
売却益 26,500円
配当額 7,700円
合計 34,200円
税引き後 27,360円
元本に対しての利回りは、12.5%
このように 最安値で株を購入できた場合、9月から12月の約4か月間で12%以上のリターンとなった。この数字だけを見ると、非常に効率の良い投資であったように思える。
しかああし!(つばぺっぺ)
冷静に考えてみて欲しい。 この最安値というものはあくまで仮定した最高の条件であって、 全てのJTホルダーに共通することではない。当然ではあるが最安値で買えた人間はごく少数だと言って間違いない。それを裏付けるために、JTの週足の価格別出来高を調べてみた。

これを見てもらえれば一目瞭然だが、2500円ゾーンが最多の出来高帯となっている。そして、そこから下がるほど出来高は減少している。私が推測するに、これは投資家側が安易に逆張りをせず、 2000円割れぐらいまでを想定していたのではないかと思う。
確かに、2200円を割って年利回りが7%台になっても下げ止まらなかったので、あの当時は相当の警戒感をもって株価を注視していた姿が想像できる。そして私はこの出来高を見ている時にふと思った。
これは報われた投資と言っていいのだろうか?
もちろん最安値で購入できた人はそう言っても良いと思う。だが、ほとんどの投資家は、もっと高い株価でナンピンしているはず。というわけで、購入価格別の利回り換算をしてみた。
※全て配当落ち後の売却と仮定
ケース1
2300円で購入 2444円で売却
税引き後利回り 7.6%
ケース2
2400円で購入 2444円で売却
税引き後利回り 4.0%
ケース3
2500円で購入 2444円で売却
税引き後利回り 0.6%
あれだけの下落の恐怖に耐えて、このリターン。
うーん、正直微妙じゃね?

想定している株価ではマイナスにはなっていないので、2019年が下落相場であれば高配当ディフェンス株としての評価はされていたかも知れない。だが、 日経平均やTOPIXの値上がり率を考えても、配当狙いの逆張りで入って良い投資だったとは言い難い。去年に関して言えば、結果的にはJT以外の銘柄に投資した方が良かったのではないだろうか。
このように、高配当株というものが決して万能ではないという事が分かっただけでも、初心者にとっては生きた教材になったのではないかと思う。
次の配当に備える前に・・・
高配当株の権利落ちを迎えた後は「次の配当までに安く仕込みたいなあ」と思うのが、ほとんどの投資家の考えることではないかと思う。しかし、次の配当の前には、2月の本決算という大イベントがある。

増配・配当維持・減配。 あらゆる可能性が想定される。そしてそれ以上に、来期の決算の数字がどうなるのか?特に株初心者は、配当利回りだけに注目していると痛い目にあうかもしれない。

慎重に売買する事を強くお勧めする。
