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綺麗なお姉さんと信用取引には、見えない怖さがある。
株をやってる人なら一度は聞いたことがある、信用取引。その仕組みを聞いただけで借金怖い!と敬遠する人もいれば、レバレッジをかけられて魅力的だな!と思う人もいる。私みたいに、実際に信用取引を利用している立場から言わせてもらえれば、 確かに売買がうまくいった時の破壊力は抜群だと思う。それは間違いない。
しかし信用取引には、実際に直面しないとわからない「怖さ」というものが確実に存在する。これを日常生活に例えると、ちょっとオシャレをして街中で歩いていた時に、物凄い美人に声をかけられ、お茶に誘われたとしよう。
「いや~、ついにモテ期来たな!」
なんて浮かれてふと後ろを振り返ってみたら、黒いサングラスをかけた強面のおっさんが監視してた状態。このおっさんが美人の実のお兄さんで、妹が心配で見守っていたという可能性はない。信用取引と同じで、手を出してから分かるその怖さ、みたいな。ニヤニヤ
信用取引で上手く行くと、絶対にロットを上げたくなる
一例を挙げてみる。信用取引100万円のポジションで、短期間で運良く10%の利益を上げられたとする。すると大抵の人はこう思う。
「これ、3倍で張ってたら、30万の利益だろ。一ヶ月の給料より高いじゃん!夢があるなあ。」
このように一度信用取引で上手く行くと、ほぼ間違いなくロットを下げて取引するという選択肢が無くなる。これは人間には常に「上手くいったらいっぱい増える!」という欲があるから。日本語にはこの状態を的確に表現する言葉があって、それを昔から「取らぬ狸の皮算用」と呼んでいる。
逆に、上手くいかなかった場合に待ち受ける現実
一度上手くいった信用取引。
「この取引を再現できれば、ものすごく効率よくお金が増える!」
と考えても不思議ではない。そして実際にロットを3倍にして株を買ったとしよう。ただし、今回は売買が失敗してしまい、損失が出たとする。信用取引300万円のポジションで、 ー5%の結果に終わった場合で考えてみる。
損失は-15万円となり、一番最初に稼いだ10万円がすべて吹っ飛び、収支はー5万円で終わってしまう。しかもこれはー5%という、値動きとしては比較的ありがちな数字で試算をしている。悪い決算や悪材料が出た場合、もっと恐ろしいことが起きるのは明白である。
信用取引の含み損が圧倒的にヤバイこれだけの理由
では、もうちょっと前提を変えてみる。一銘柄に3倍という極端なロットではなく、ある程度分散した信用取引のポートフォリオで考えてみる。
A株 100万円で購入→評価額は101万円
B株 100万円で購入→評価額は100万円
C株 100万円で購入→評価額は99万円
元本に対して±0
この3銘柄を信用で持っていた場合、トータルでの含み損益は±0で均衡圏。この時点では問題が無い。しかし、地合が急変したとしよう。各銘柄が2%ずつ下落した場合を想定してみる。
2%の下落に見舞われた場合
A株 100万円で購入→評価額は99万円
B株 100万円で購入→評価額は98万円
C株 100万円で購入→評価額は97万円
元本に対して-6%
今回のケースでは2%の下落というかなり甘めな試算になっているが、日経やダウの急落時はこんなものでは済まない。含み損のある株がさらに損失を広げ、含み益があった株でさえマイナスに転換した時、
あなたには一体何が出来るのだろうか?
また、こういった時に初心者がやりがちなことは主に3つ。
1 株価が戻るまで待つ
2 安く下がったからチャンスと考え、更に信用買い
3 やたら祈るようになる
そのありがちな事をした結果はどうなるか?
1 現物ではないので、下がるとドンドン元本が毀損する。
2 株価が戻る前提だが、戻らなかった時に破綻の道が待っている。
3 人々が祈る時、今以上に株価が下がるのがこの世界の常識。
このように信用取引で含み損の状態というのは、基本的に負けている状態であり、株価が下がるにつれてドンドン不利な戦いを強いられるのである。だからこそ、初心者が信用取引で含み損を抱えたポジションを持つ事は危険なのだ。
なぜこのタイミングで、信用取引について触れたのか?その理由
なんでヤリ手ジジイはこのタイミングでこんな記事を書いたんだろう?そう思った読者もいると思う。その理由は、
今の地合がいいから。
NYダウは連日の高値更新、日経も最高値を狙えるかどうかという状況で、一見するとマーケットは安定しているかのように見える。
しかああし!(つばぺっぺ)
私にはものすごく違和感しか感じない。 このことについて述べようとすると、 私がでべそで母が悩んだ話、女の子に歯型を付けられて家に帰ってきた話等、本題に辿り着くまでに二週間はかかりそうなので、今回は割愛しておく。
ニヤニヤ
そもそも、地合がいい時にマイナスのポジションってヤバイよ
当然、考えようによってはここからバブルに突入し、
「信用取引で大きくリターンを得られるから大丈夫!」
という考えも成立するだろう。しかし私は警告しておく。株式投資で大事なのは、
上手く行った時の事を妄想するのではなく、
窮地に立たされた時に脱出できるかどうか。
私もずっとこの世界にいて思うのだが、 退場していく人間は間違いなく自分に甘い人である。 調子の良い今だからこそ、有事に備えたい。