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本当の意味で人生の相棒になった、愛すべき物件の詳細
前回書いたように、私は人生で初めて不動産というものを購入した。
購入当初はリーマンショックの後ということもあり、色々と見えない不安や葛藤と戦っていた事を思い出す。リトルYJJは囁いた。
これ入居者入んなかったらどうすんの?
株で回した方が良かったんじゃないの?
リフォーム代が膨らんだらどうするの?
見えない落とし穴があるんじゃないの?
などなど、人間は経験がないと穴すらわからなくて不安になる。しかし、不安を思い浮かべるたびに、自分にこういい聞かせた。「お前は不安定な株式市場で、少しでも自分を安定させるために不動産を買ったんだろう?株だってなんだって最初はみんな初心者だ。なんでもやってみなければわからない。万が一ダメだったら、フルタイムでバイトをして穴埋めすればいい。もうやるしかない。」
この不動産投資がうまくいかなかったら、最悪バイトで返せばいいと思っていた。そういう風に考えておけば、多少の気休めになる。また、どんな投資でも、心の余裕というのが大事だというのは、この時学んだ。実際に労働で返せるロットだったから、踏ん切りがついたんだと思う。ここで一号物件の詳細を公表しよう。
みんなには内緒やで?ニヤニヤ
平成築
物件価格180万円(評価額600万円)
リフォーム代 と登録諸費用109万円
投資合計289万円
この物件をセルフリフォームで何日もかけて直し、数ヶ月で仕上げた。遠隔地だったので通うのが大変だったが、そこは圧倒的平成生まれ(震え声)の持ち前のパワーで乗り切った。そして入居付けでも持ち前の運のよさを発揮し、空室期間ゼロ、リフォーム後即入居の自主管理が始まった。家賃は、
75,000円
表面利回りで約50%。実質利回りでも約31%と言う
圧倒的ヤリ手感\(^o^)/
で、最初の物件を運営することに成功。 その後家賃の滞納もなく、全くのノーメンテナンスで数年が過ぎた。こうなってくると人間は欲が出てくるものだ。
私が融資を受けようと思った理由
はじめての不動産投資が軌道に乗った頃、いろんなことを考えるようになった。
こういうのを繰り返したらあっという間に金持ちじゃね?
株式投資より再現性が高くね?
俺って思ったよりヤリ手じゃね?
通帳にどんどんお金がたまっていくのを見ながら、世間一般で言う所有物件の拡大ということを考えるようになった。不動産投資の場合、安定して家賃が得られればどんどん融資を受けて事業を拡大していくというのがセオリーだから。
一戸あってこれだけ精神的に楽なんだから、もっと物件を増やせば気分的に楽になるかもしれない。そう思った私は、二戸目の物件に照準を合わせ、融資を受けることを考え始めた。しかし、当時の収入状況は、引け後にパートに出て月収9~10万円前後。それに家賃75,000円。そしてデイトレードの運用資金、これしかなかった。やはり不動産の融資はハードルが高く、情報も少なかったため、正直融資が下りるかどうかは全くわからなかった。まあ、普通はおりないだろう。
が、
貸すかどうかを決めるのは金融機関だし、聞くだけ聞いてみるか!という感じで考えるようになった。また本音を言ってしまえば、不動産に全てを注ぎ込むと株で運用するお金が全くなくなってしまう。その持ち金を使うのはデイトレーダーとしては忍びない。という、デイトレーダー的正論で融資の打診をすることに決めた。
サラ金すら借りたことのない男がスーツを着て向かった金融機関とは
パートタイマーなのに融資を受ける事を決めたYJJ。しかし、金融機関といってもたくさんあるのだ。
メガバンク
地銀
信用金庫
等、 単純にお金を借りると言っても、本当に複数の金融機関がある。その中で事前に情報を収集し、自分の身の丈にあった金融機関を探した。そして一番可能性が高いと思われる金融機関を訪問することに決定。その金融機関とは・・・・・
日本政策金融公庫
である。
はっきり言ってどういう団体かは全然知らなかったが、小口の融資が主体で、知り合いのネイルサロンの人も利用しているということを聞き、話を聞いてもらうことにした。
融資の説明の際、アピールした事とは?
人からお金を借りるなんてことは生まれて初めてだし、なかなか経験できることではない。借りられなければただ恥をかくだけなんだけれども、まあそれはそれでネタになるからいいや!という感じで、事前に指示された書類を集め公庫を訪問。
出木杉くん(仮名)が担当に付くことになり、融資について説明を受けた。私のパートの収入と家賃収入、保有現金、全てを見られてるようで正直恥ずかしかった。パート収入や家賃収入について淡々と聞かれ、物件が欲しい理由についても説明を求められた。そこで私は、自分で一番有利であると思われる点についてアピールした。
1一号物件を無借金で購入したこと
2平成築で年数が浅いこと
3家賃に一切手をつけていないこと
担当者が「おっ!」というリアクションをしたのは、1と3である。物件については抵当権があるかどうかを聞かれて、無借金で購入しましたと言うと
「すごいですね~」
と感心してくれた。
その後、私から「生活費にする予定はなく、家賃収入には一切手をつけていません」とアピールすると出来杉君(仮名)は
「おお!素晴らしいですね~」
と 明らかに良い反応を見せてくれて、その顔から笑みが溢れていた。実際に家賃収入を得てから数年間、手を付けていないのは通帳を見れば分かる。訪問は無事終了し、その日はヒアリングのみで、書類を精査後再度連絡をもらうことになった。
YJJピンチ?担当者に思いっきり詐欺を疑われる
それからしばらくして出木杉くん(仮名)と再度会って、物件についての確認と色々と質問をされた。しかしその時は前回とは雰囲気が違っていた。明らかに疑うような顔・・・ドキドキしながらあらゆる質問に丁寧に答えた。そして出木杉くん(仮名)が、疑惑の眼差しを向けていた理由が分かった。
「何でこんなに希望物件の価格が安いんですか?」
この質問には一瞬面食らいそうになったが、すぐにピンと来た。それもそのはず、次の購入物件は駅近であるのにもかかわらず、土地建物評価額の、
4割引のヤリ手プライス
だったから。「なんでこんな取引になったのか?」 出木杉くん(仮名)が疑うのも無理はなかった。私が担当者でも同じことを疑ったと思う。要は、
何で好条件の物件がこんなに激安で売買できるのか?
これは融資を引っ張るための架空取引ではないのか?
出木杉くん(仮名)の顔にクエスチョンマークが見えたのは明らかだった。
「いやあ、それは僕が交渉上手だからですよ!」
と真顔で言おうかと思ったが、そんな冗談はブログでしか言えるはずがない。ニヤニヤ
変に疑われないように、売買物件の購入までの経緯を丁寧に説明し、納得してもらうことに成功した。そして融資の手紙を待った。
パートでも融資が通った理由を考えてみた
それからしばらくは何もすることがなくひたすら融資の手紙を待ったこんなに手紙が待ち遠しかったのは、山下明子ちゃん以来だ(詳細は省く)
そして時は来た。
融資決定のお知らせがキターーーー
融資額 300万円
返済額 3万円(月額)

この300万円は、労働で稼ぐ金額だと思うと相当な額に匹敵する。ものすごく身が引き締まる思いがした。この融資を元にトレードへぶっこみ物件を購入した。ここで、融資を受ける事が出来た理由を、自分なりに考えてみた。
1 無借金で物件を持っていた
2 万が一の際は担保になる(今回、担保の設定は無かった)
3 数年間家賃に一切手を付けていなかった
4 返済額が小さかった
こんな感じ。
実際に融資を実行してくれた人に聞かないと分からないので、理由は永遠に分からないが、コツコツやっている面といざという時の担保になる物件が評価されたのでは?と、考えている。仮に私が担当者だっとしたら、お金をコツコツ貯めてる姿勢を確認できたら、年収が低くても融資をしたくなる。というわけで、各自参考にして欲しい。
やはり借金があると落ち着かない・・・
それからは真面目にコツコツと返済を重ねていった。これは融資を受けた時の封筒。

※毎月、返済表を取り出して返済した分をチェックしていくため、封筒がボロボロになっている。
返済が進めば進むほど嬉しかった。返済額自体は金額が金額だけに、そんなにリスクはなかったが、そうは言っても借金は借金。借金が残っていると体質的にどうも落ち着かない性格だということが分かるようになった。また、 金利を見ているとなんだかもったいないような気がしてきて、早期に返済することを意識するようになる。
信用取引の金利は全然気にならないんだけどね。えへへ
鬼の運用利回りで全額返済
借金の返済が進めば進むほど、残りの返済額が残っている事に、どうも居心地の悪さを感じるようになった。元々借金をするというのが体質的に合っていなかったということだろう。意を決し、返済月数を半分以上残して、全額返済することができた。先ほど二号物件の計算をしてみたら
実質利回りは27%
だった。ちなみに、もう投資額は回収しているので、今は全てプラス収益となっている。
返済し終わったその後
公庫からすれば大した金額でもないので、繰り上げ返済は簡単に了承してくれた。これがロットがデカかったり、他の民間の金融機関だと色々面倒くさいらしい。私の場合は公庫で良かったと思う。その後数年が経つが、定期的にお金を借りてくださいという連絡がくる。通常は手紙で融資の案内が来るが、それ以外でも何かお金の需要はありませんか?と言った電話がかかってくることがある。
金融機関というのは「晴れの日に傘を貸して、雨の日に傘を取り上げる」というが、それを実感した。融資の必要のない財務が健全な人間には貸したがる、まあそういったもんだろう。
物件を運営してきた経験から思った、株と不動産投資について
私個人としては、株式投資家は大なり小なり一戸ぐらいは不動産を持っていても損はないと思う。理由がいくつかあって、
紙幣が紙くずになった場合
株が暴落した場合
デフレに移行した場合
など、紙の資産だけではリスクが大きいという面も考慮している。リスク分散の意味も含めて、また、不動産を持つことによる社会的信用の確保という意味でも、不動産を持っていてもいいかなと思う。
ただ、私の知り合いでも不動産を持つ人や、不動産そのものを持たずにリートで持つ人など、人によって考えは様々だ。それでも活用の仕方次第で、不動産は投資家の選択肢を広げてくれる可能性があると私は考えている。興味がある方は色々勉強してチャレンジしてみてほしいと思う。