お盆休みも終盤に差し掛かった今日、8月16日。ユニゾホールディングスにまつわるビッグニュースが出た。以下、日経新聞より引用。
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)から敵対的TOB(株式公開買い付け)を受けている不動産会社ユニゾホールディングス(HD)が、対抗案を検討していることが16日分かった。ソフトバンクグループ傘下の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループと組み、HISとは別にTOBを実施する方向で最終調整している。
ユニゾは友好的な第三者であるホワイトナイト(白馬の騎士)としてフォートレスの協力を得て、HISのTOB不成立を狙う。
近く最終決定し、週明けにもフォートレスがTOBを開始するとみられる。HISが提案している1株3100円を上回る条件でTOBを実施し、全株取得で非公開化を目指すもようだ。フォートレスはTOBが成立すれば、保有物件の稼働率向上や資産売却などを後押しするとみられる。ユニゾはフォートレスと連携することで、より価値を高められると判断した。
HISがユニゾに実施しているTOBは発行済み株式の40%を上限とし、期限は8月23日まで。ユニゾの取締役会は6日、HISによる買い付けに反対意見を表明し、敵対的買収劇に発展した。
ユニゾ側はHISによるTOBに対抗するため、水面下でホワイトナイトを募っていた。複数の投資ファンドからの提案を検討した結果、フォートレスに絞り込んだ。
フォートレスは米国に本部を置く世界的な投資ファンド。特に不動産分野に強みを持ち、日本では上場不動産投資信託(REIT)や、「マイステイズ」ブランドでホテルを運営する。17年にソフトバンクグループの傘下に入った。18年には三菱マテリアルの不動産子会社を買収している。
ユニゾHD株の15日終値は3600円とHISによる買い付け価格を上回っており、現状ではHISによるTOBが成立しない可能性がある。対抗案が出ることで、HISが買い付け価格の引き上げや株数の増加などに動くかどうかが焦点になる。
HISによるTOB発表後、米投資ファンドのエリオット・マネジメントによるユニゾ株の買い増しも明らかになった。エリオットは「状況に応じ、建設的な対話(エンゲージメント)や助言、重要提案行為などを行う」としている。同社は「物言う株主」として知られ、ユニゾを巡るTOB合戦の波乱要因となる可能性がある。
超低金利の日本は利息負担を考慮した不動産の投資利回りが世界でも高く、外資系ファンドが投資を拡大している。ただ、優良物件を個別に取得する機会は限られており、最近では不動産を保有する企業に投資するケースが目立つ。
ここで、ユニゾホールディングスにまつわるTOBの話をまとめてみよう。2019年7月10日。HISは正式にユニゾホールディングスに対して、一株3100円でのTOBを発表した。そしてこのTOBに対し、ユニゾホールディングス経営陣は正式に反対を表明。その後の時系列をHISのIR情報から読み取ってみる。

バッチバチやね(震え声)
敵対的TOBということで、当然両社の経営陣同士が良好な関係を築くことは不可能であり、TOB成立の行方が注目されていた。そこで今日のニュース。以前からユニゾをがっちりとホールドしている株主は大喜びだろう。素直におめでとうございます。もし知り合いにホルダーがいたら、個室の焼肉か、回らないお寿司をお願いします。贅沢は言いませんので。ニヤニヤ
この情報を見て私が考えたこと、それは
今からユニゾの株を弄って儲かるかな?
という事。そして、今出ている情報を自分なりに精査してみた。
1 情報の信頼性
まず日経新聞のリークということで信頼性は極めて高い。ほぼ100%と言ってもいいだろう。まあ、たまに飛ばしっぽいのもあるんだけど。ただ、情報の発信元を考えると、対抗TOBをするという前提で考えて間違いはない。私ならそう考える。
2 ホワイトナイトのTOB価格
現時点でHISがTOBすることを表明しているので下値は3100円、これは鉄板である。問題はホワイトナイトと言われているフォートレス・インベストメント・グループが、TOB価格をいくらで設定するのかと言う疑問が生まれる。
この報道がされる前のユニゾホールディングスの株価は3600円。となると、マーケットが3600円以上を期待して動くのは無理もない。しかし、最後発組として考えるのであれば、このTOB価格はあまり重要ではない。実際いくらでTOBするかは蓋を開けてみないとわからないから。これは私がUSJのMBO実施の時に、勝手に脳内プレミアムをつけてがっかりした経験から来ている。
3 これらを受けてどのように立ち回るべきか?
ユニゾの昔からのホルダーは、もう天国モード確定なので、思う存分ドヤってほしい。問題はこの報道を受けて、一番最後発である短期売買勢の動きだ。私が考えるに、現時点でTOB価格が決まっていないということは、短期勢にとってはプラスに働いている。
要は具体的な金額が見えない分、思惑が広がれば広がるほど株価というのは勝手に上昇していくので、その値動きを捉えればいいだけの話である。買いでも売りでも自分の得意なほうで頑張って欲しい。というわけで、今から参入するなら、
短期売買一択で!
4 一番の注意点
こういう思惑相場は非常に面白い展開になりやすいので、日中の売買をするには非常に良い。だが、短期売買なら忘れてはいけないことがある。
持ち越しに要注意!
一番あり得る話としてTOB価格が市場の予想以上に低かった場合、買いで入ってる人たちは致命傷を負う可能性がある。先ほど述べたように、プレミアム価格を脳内で膨らませるのは自由だが、実際問題いくらになるかはホワイトナイト次第だ。
そう考えると、もし正式な発表が出ても大したTOB価格が提示されなかった場合、持ち越しているとそこにサヤ寄せする形になるので、大打撃を受ける。なのでここから参入する場合は、持ち越しをしない方がリスクは小さい。
あくまで思惑に乗って場中で遊びなさいよ!って言うアドバイス。以上が元デイトレーダーが考えた、ユニゾの立ち回りでした。
※追記
本日、16時30分にユニゾから正式に発表。
TOB価格は4,000円との事。